加藤有隣

高杉が「試撃行」の旅を始めた時に、一番最初に訪ねたのが笠間藩の加藤有隣であった。水戸学儒学、神道、雅楽、兵学、砲術とあらゆる学問を修めて笠間藩の藩政改革を実行しようとしたものの挫折。40歳で隠居の身となり、私塾を開いていた。日本中から集ってきた志士達と交流していたが、高杉とはかなり気が合ったようで、二晩も大いに語り合った。高杉が師・松陰に倣い脱藩して国事に奔走するのだと藩邸を飛び出した際に、向った先が加藤有隣の元であった。しかし、有隣は江戸に戻るよう説得したという。桂小五郎に手紙を書き、脱藩の罪にならないようにも働きかけた。

前の記事

毛利敬親

次の記事

横井小楠