紫雲山瑞聖寺/高杉家の墓所


 JR目黒駅より目黒通りを白金に向かい、明治学院大学方面へ少し坂を下ると「紫雲山瑞聖寺」がある。ビルに囲まれた都会の喧噪の中に、大きく立派な伽藍を持つ静かなお寺があることに驚く。
 「瑞聖寺」は、毛利家の江戸における菩提寺。江戸詰めの際に藩主や世子が頻繁に参詣をしていて、高杉晋作の日記(1961.9.13)にも若殿のお供で参詣をしたと記入されている。
実は、この寺院には多くの長州藩士が眠っているのだ。例えば高杉晋作に、彼の実父である高杉小忠太、伊東博文の実父である伊藤十蔵など…しかし彼らの墓があるにも関わらず、お寺のブログや書籍などには一切公開されていない。
その理由は瑞聖寺が墓域の一般参拝を禁止しているためである。故に外部に開かれる事はなく、静かにひっそりとした佇まいを守っている。

 東京麻布の飯倉五丁日六十番地(旧番地)。そこは、高杉雅子が晩年に過ごした「高杉家」の家があった住所である。そこから瑞聖寺へはそれほど遠くない。
高杉家との関係が偲ばれる史跡といえよう。

 瑞聖寺と長州藩の関係だが、一説によると、長州藩主の毛利家の菩提寺、東光寺の宗派は黄檗宗であり、瑞聖寺も同じ黄檗宗を宗派とし、江戸における中心的な立場であったとされている。

(記述:山下正樹)

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