白石正一郎
清末藩の廻船問屋だった白石正一郎は、坂本龍馬、平野國臣、真木和泉など全国の志士、また七卿など幕末に活躍した500人にものぼる人たちの世話をしたと言われる。その中で彼が一番惚れ込んだのが高杉晋作であった。文久3年6月8日、白石邸を訪ねた高杉と奇兵隊結成をして自らも弟・廉作と共に入隊する。その後は高杉を物心両面で支え続け、それはやがて家業を傾かせることになるが、その苦しみさえ表に出さなかった。高杉の死後、正一郎は急激に衰え、一切の俗事から遠ざかり、最後は赤間神宮の初代宮司という肩書をもって生涯を終える。